北斗塾ブログ

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北斗塾FAQ 180:人に係る問題解決:情報収集チェックシート

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よくある質問180:情報収集チェックシートについて、詳しく教えてほしい。

解答180:「情報収集チェックシート」は、製薬会社の営業職(MR)が持つべき「顧客関連の知識」を一表にしたものです。 「顧客関連の知識」は、「顧客関連情報」、「重点施設情報」、「担当地域情報」の3つに分かれます。

まず初めに、「顧客関連情報」の具体例を紹介します。「顧客関連情報」は、全部で10つありますが、3つのカテゴリーに分けて、具体例を紹介します。
1番目は、MRが、顧客を訪問するにあたり、知っておきたい基本情報を5項目選んでいます。

  • 患者さんへの影響力(持ち患者数など)
  • 医療関係者への影響力(全国・地域・施設内での役割・影響度)
  • 面談ベストタイムとメールアドレスを含む連絡手段
  • 専門分野、認定医、論文、研究テーマ、所属学会
  • 交友関係(院内、院外)

2番目は、MRが前段に示した基本情報を理解した上で、MRが、顧客にどう接すればよいのかのヒントになる情報を3項目選んでいます。これらの情報は、顧客との信頼関係を強化するために必須の情報であり、理論的側面をMiddleからHighに上げるのにカギを握る情報と言えます。

  • 患者志向、学術志向、経営志向
  • 好きな話題と嫌いな話題(趣味 ・家族・嗜好品も含め)
  • 話し方(単刀直入に・雑談を多く・じっくり傾聴する)

3番目は、MRが、活動計画の立てるのに必要な情報を2項目選んでいます。自社との歴史を理解した上で、ナインボックスを使い、顧客と自社(製品と社員)との関係を分析することを目指しています。

  • 自社との繋がり(これまでの活動、かかわりの歴史) 
  • 自社MRとの関係(ナインボックス)

次に、「重点施設情報」の具体例を紹介します。MRが、重点施設を訪問するにあたり、知っておきたい基本情報を7項目選んでいます。これらの情報は、薬剤採用や採用取り消しに大きな影響を与える情報と言えます。

  • 重点施設の担当地域での役割(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)
  • 重点施設の重点製品の販売額・シェア・トレンド・医師数
  • 重点施設の競合製品の販売額・シェア・トレンド
  • 重点施設の他の施設との関わり(病病・病診・薬薬・介護施設連携)
  • 重点施設の訪問ルール(訪問日時、アポイント制など)
  • 重点施設の採用プロセス(薬審の開催頻度・メンバー・手順)
  • 重点施設の重点製品別の納入卸とMRとの関係

最後に、「担当地域情報」の具体例を紹介します。「担当地域情報」は、地域包括ケアシステムが進む中、MRが、将来、担当地域で、何をすべきかを考える基本情報を6項目選んでいます。

  • 担当地域における 病病連携、病診連携、薬薬連携、介護施設連携
  • 担当地域における オピニオンリーダーの役割と影響力
  • 担当地域における ドクターズマップ
  • 担当地域における 卸別の支店長数・所長数・MS数と自社との関係
  • 担当地域における 重点製品の販売額・シェア・トレンド
  • 担当地域における 競合製品の販売額・シェア・トレンド

製品関連知識は、平均的なレベルにあるMRでも、どんな情報が必要な情報なのか、どうすれば顧客や医療関係者からこれらの情報を収集できるのかが、わかっていないMRが多いと感じています。そこで、添付の「情報収集チェックシート」を使い、どの情報をどのくらいの精度で持っているかを部下と面接で確認していくことが重要と考えます。

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