北斗塾ブログ

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北斗塾FAQ 107:ナインボックスを使った部下指導 前篇:現状分析:理論的側面:知識・スキルの詳細

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よくある質問107:ナインボックスの理論的側面の詳細を教えてほしい。

解答107:FAQ106では、ナインボックスの理論的側面の概念を紹介しましたが、FAQ107では、製薬会社のMRを例に、部下の理論的な側面(知識とスキル)を分解して考えてみます。

まず、「知識」は、「製品関連の知識」と「顧客関連の知識」に分かれます。

  • 「製品関連の知識」には、自社製品の知識、競合他社製品の知識、疾患の知識、診断と治療の知識、診療報酬の知識などがあり、MRが持つべき基本となる知識と言えます。
  • 「顧客関連の知識」には、顧客関連情報、重点施設情報、担当地域情報などがあります。顧客関連情報は、顧客との信頼関係を強化するために必須の知識と言えます。また、重点施設情報は、薬剤採用や採用取り消しに大きな影響を与える情報と言えます。そして、担当地域情報は、地域包括ケアシステムが進む中で、MRに何ができるのかを考える基本情報と言えます。顧客関連の知識については、来週日曜日にアップする予定のFAQ108で詳しく紹介します。

次に、「スキル」は、「顧客に製品特性を理解してもらうためのセリングスキル」と「顧客との信頼関係を強化するスキル」に分かれます。
「顧客に製品特性を理解してもらうためのセリングスキル」は、ニーズを把握するスキル、販促資材を使い製品特性を紹介するスキル、顧客ニーズと製品特性を結び付けるスキル、処方依頼のスキル、感謝・傾聴・共感のスキルで構成されています。
「顧客との信頼関係を強化するスキル」は、個々の顧客のタイプ(患者志向・学術志向・経営志向)、好きな話題と嫌いな話題(趣味・家族・交友関係)、話し方(単刀直入に・雑談を多く・じっくり傾聴)を十分に理解した上で、時と場所、場合に合わせて、顧客と話すテーマやアプローチ方法を自在に変えることのできるスキルと定義できます。

FAQ106で、部下の理論的な側面のメインは、製品知識とセリングスキルと紹介しましたが、理論的側面をMiddleからHighに上げるのにカギを握る知識とスキルが、「顧客関連の知識」と「顧客との信頼関係を強化するスキル」と言えます。

「製品関連の知識」、「顧客関連の知識」、「顧客に製品特性を理解してもらうためのセリングスキル」、「顧客との信頼関係を強化するスキル」、すべてを備えたMRを、私たちは、理論的側面HighのMRと呼ぶことが出来ます。

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