北斗塾ブログ

一般社団法人神戸北斗塾の塾長のブログです

北斗塾FAQ 103:現場で役立つ問題解決:問題解決の手順:Planの3つのステップ

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よくある質問103:問題解決の手順(Plan/Do/See)の中で、計画立案(Plan)の3つステップを教えてほしい。

解答103:問題解決の手順(Plan/Do/See)の中で、計画立案(Plan)は、現状分析(何が起きているのか?)、問題特定(問題・根本原因は何なのか?)、計画立案(何をすれば、問題・根本原因を解決できるのか?)の3つのステップが必要です。このステップを入れないと、十分な現状分析を行わないまま、問題・課題を特定しないまま、いつも慣れ親しんだ活動計画をがむしゃらに実行することになりますが、結局、何の改善も図れないまま、90日が過ぎることがあります。

それでは、現状分析、問題特定、活動計画の3つのステップの詳細を、例を使い、説明します。

まず、「現状分析」について説明を加えます。現状分析とは、「問題解決に必要な情報を収集・整理・分析を行ない、現場で何が起こっているかを明らかにすること」と定義します。特に、どんな情報が必要なのかを問題解決のコツ(一人称・5W1H・数字)で考えます。そして、どこから・どうやって、これらの情報を収集できるのかを理解することも重要です。尚、必要な情報には、現状に関する情報だけでなく、あるべき姿に関する情報も収集する必要があります。

ボートフィッシングの例でお話しすると、「今日は、北風が強く、船が揺れたので、釣りにならなかった」では、When=今日、What=釣りにならなかった、Why=北風が強く、船が揺れた、の3点は記述されていますが、不十分です。「今日、私は、北淡路島沿岸で、風速8 mの北風が吹く中、魚釣りをしたが、船が揺れて、ロックフィッシュ3匹しか釣ることができなかった」と記述すれば、問題解決に必要な現状の情報を収集できていると言えます。また、北風の風裏になる神戸沿岸で風速4 mであったという情報も必要な情報です。なぜなら、風速4 m以下であれば快適に魚釣りを楽しむことが出来ますので、あるべき姿の必要な情報と言えます。

次に、「問題の特定」について説明を加えます。問題とは、「あるべき姿と現状とのギャップ」と定義します。通常、問題に落とし込むことができれば、解決策(計画)を立てることが出来ます。また、問題は、その組織やその組織で働く人々が関与できることで、最終目標と密接に関連していることに限定することが重要です。

先ほどのボートフィッシングの例でお話しすると、「今日は、北風が強く、船が揺れたので、釣りにならなかった」では、北風が強いことが問題のように記述されています。しかし、天候は、私が関与できることではないので、問題にはなりえないということです。それでは、問題は何なのでしょうか?問題は、強い北風が吹くことが分かっているのに、北風の影響を強く受ける北淡路島沿岸で魚釣りをするのではなく、北風の影響を受けにくい神戸沿岸で魚釣りを計画していなかった「私のプランニング」に問題があったということになります。それでは、北風が強いのに神戸沿岸で魚釣りを選択しなかった根本原因は何なのでしょうか?それは、冬場に北淡路島沿岸部でメバルなどロックフィッシュを大漁に釣った成功体験は持っていますが、神戸沿岸では、あまりロックフィッシュを釣った経験がないので、北風が強くても、過去の成功体験にたより、結局、北淡路島沿岸に行ってしまう私のチャレンジ精神のなさに根本の原因があるようです。尚、根本原因の特定については、問題解決の手法(根本原因診断ツール)のところで説明します。

最後に、「活動計画」について説明を加えます。活動計画で一番最初に考えることは、実現可能性は考慮に入れず、他人のアディアを否定することなく、いろいろな解決策を考えることです。次に、出てきたアイディアが、SMART: Specific(具体的に)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(最終目標と密接に関連している)、Time bound(期限つき)であるかを考慮し、活動計画を確定してください。

先ほどのボートフィッシングの例でお話しすると、「次回のロックフィッシュ釣りに出かける場合、北淡路島沿岸で5 m以上の北風が吹く予報が出た時は、迷わず、神戸沿岸のロックフィッシュ釣りに切り替える。また、釣果も、凪の時に北淡路島沿岸で目標としている20匹ではなく、10匹として、ゆとりをもって安全第一で釣りに出かける。尚、いつもより15分早くヨットハーバーに出かけ、ヨットハーバーのスタッフに神戸沿岸のロックフィッシュのポイント(岩礁)を教えてもらう。また、まだ使ったことのないロックフィッシュ用のラバージグ(疑似餌)も試してみる」とすれば、チャレンジ精神のあるSMARTな活動計画になったと思います。

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2017年12月、北淡路島沖(神戸のヨットハーバーから20分)で釣った寒ブリです。必要な情報を収集・整理・分析し、問題・根本原因を特定し、活動計画を立てたので、初めて寒ブリを釣ることが出来たと自負しています。乗合船で、船頭に釣らせて貰った寒ブリとは、喜びも大きな違いがあります。(神戸近郊では乗合船でも寒ブリはそれ程釣れませんが…)

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